ピアノ部品 ジャム用木製スプーン

ピアノ部品の端材をスプーンに。エコです

ピアノ部品メーカージャム製造業者が、ピアノ部品の端材を加工したスプーンを共同開発したというニュースを見ました。
連携したのは、ピアノ部品メーカーの鈴春工業と、静岡県磐田市の果物ジャム製造販売の「さじかげん」です。

開発の経緯

元々は、「さじかげん」で自営でジャムを製造する永田絢子氏が、磐田市と県よろず支援拠点の仲介で鈴春工業を訪問したのが発端だそうです。

訪問は1年前で、その際に、自社名にちなんで、音符をモチーフにしたスプーン開発を提案しました。

鈴春工業では、過去にアウトドア用テーブルやベンチなど楽器以外の製品を手掛けていましたが、食器製造は初めてだったそうです。

それでも、20〜40代の若手社員7人の開発チームが試行錯誤を繰り返し、ピアノ部品製造に用いるブナの木の端材から、長さ12cmと14cmの2種類のジャム用木製スプーンを完成させました。

開発のコンセプトは「フルーツの音色を食卓に」だそうです。スプーンの柄の部分の緩やかなカーブが特徴で、横から見ると音符の形に見えます。

また、瓶からジャムを取り出し易い様に、先端部や持ち手の角度は何度も調整されています。スプーン表面に関しても、鈴春工業の得意の研磨技術を生かし、手触り良く滑らかに仕上げてあります。

この木製スプーンは、「neiro(音色)」の商品名で、7月13日から浜松市楽器博物館内のミュージアムショップで販売しているそうです。

異色のコラボ

それにしても、食品とピアノ部品の組み合わせとは異色です。関係者も「楽器製造が盛んな静岡県西部を発信するツールになれば」と普及を目指しているとのことです。

永田氏は、「ピアノから生まれたスプーン」という物語を思い浮かべながら使ってもらい、食卓を豊かにしてほしい、と願いを込めて語っていたそうです。

エコな「ピアノから生まれたスプーン」

実際、ピアノ部品を作製する為とはいえ、木材の端材が発生するのは避けられません。

それをただ捨てるのではなく、このように有効利用がなされるのであれば望ましいことです。

「このスプーンと一緒にピアノが生まれているのだ」と思うと、なんかロマンチックな感じもしますし。